成長期におけるスポーツ障害のリスク
『中学生 女子 慢性腰痛歴 二年』
体操を小学生から始め、練習量は一日三時間とかなりハードな毎日を送っていました。 約二年ほど前より腰痛を感じ始め、爽快館へ来院する一ヶ月ほど前から一日中の痛みに悩まされようになります。 一年ぐらい前から近くの接骨院に通っていましたが効果はありませんでした。 接骨院での処方は、消炎鎮痛剤のシップと電気、マッサージ。
姿勢
柔軟性が高いため、筋肉には問題がないように見えますが腸腰筋の過緊張による腰椎の過前弯、骨盤の前方変位が見られます。(白線の傾きは水平が理想)
これにより、腰の筋肉に過度の負荷がかかり腰痛を惹起しやすくなります。
また、内転筋の緊張が強いことも画像から読み取れます。
中学生という年代に、慢性腰痛があること自体信じられないかもしれませんが、条件が重なればどの年代にも痛みが出てくる可能性があります。 この患者さんは、運動のしすぎで筋肉の慢性疲労を起こし、血流不足による酸欠痛が加わっていました。 スポーツをすることはいいのですが、まだ成長期段階で追い込みすぎるのはリスクが大きすぎます。練習量を減らすことが出来ないのであれば、徹底したケアが必要です。
そこで、この患者さんは接骨院でケアを行っていたのですが、そのケアの方法が間違っていました。 それは、消炎鎮痛剤(シップ)を使い続けていたことです。消炎鎮痛剤は急性の症状には有効ですが、慢性の症状には全くもって逆効果です。
そこで、シップはその日から止めてもらい保温に努めていただきました。そして、この患者さんは腰よりも脚に多くの問題があり、そこに集中した施術を行い遠赤外線による血流改善も同時に行いました。 三回目の施術を終了したところで、日中の痛みも消失し、10の痛みも3の痛みへと軽減しました。 施術一ヵ月後には、運動時に若干痛みを感じるときがあるくらいで、日常生活に支障はなくなりました。 しかし、運動を続けていく限り故障の危険性が無くなるわけではありませんので、引き続き自己管理も含めたケアが必要です。