肩こりにストレッチはNGです
ストレッチで悪くなる痛みもあります!
ストレッチというものを頭に思い描いてみると=筋肉を伸ばすという行為が誰の頭にも思い浮かぶくらい当たり前のことになっていると思います。
そして、肩こり、腰痛などの症状にストレッチを勧める書籍や情報がありますので、体の硬い人なら誰もが一度は試したことがあるのではないでしょうか?
しかし、このストレッチによる体を伸ばす行為は、筋肉をゆるめる万能療法ではありません。
体の状態によってはかえって悪化することがありますので注意が必要です。
えっ!嘘!? ストレッチで悪くなる??
そうなんです。
ストレッチは体のコンディションに応じて行わないと痛みが悪化することがあります。
筋肉というのは、何でもかんでも伸ばせば良いというわけではありません。
症状によっては、縮めなければいけない場合もあるのです。
その中でも、肩こりは一番縮める必要がある症状と言えるかもしれません。
(肩こりのコリは伸張性収縮の長期化によってもたらされた筋肉の拘縮です)
ストレッチで悪化する理由
通常、筋肉というのは縮んだ後は弛緩しなければいけません。
しかし、トラブルを起こしている筋肉はこの弛緩が出来ていません。
つまり、緊張しっぱなしの状態が続いているということです。触ればカチカチになっていますから分かりますよね。
力を入れていないにもかかわらず筋肉が持続的に緊張しているのですから、筋肉内の血流は常に低下しています。
ですから、少々の運動でも疲労しやすくコリ感、重だるさ、痛みにもつながりやすい状態です。
そして、硬くなっている筋肉には縮んだ状態で硬くなっている筋肉と伸ばされた状態で硬くなっている筋肉の二パターンがあります。
ストレッチをしてはいけない筋肉は、この伸ばされた状態で硬くなってしまった筋肉です。
こんな状態の筋肉をストレッチで伸ばしてしまったらどうなってしまうのでしょうか?
カチンコチンの筋肉内の血管は圧迫を受け、ただでさえ悪い血流がさらに悪くなってしまいます。
筋肉は自然にゆるんでいくことが出来ません。
積極的に弛緩させて筋肉をゆるめてあげることが大切なのです。
ちなみに、起床時に→のように体を伸ばす行為は一見体を伸ばしているように見えますが、部位によっては縮めている動作にもなっているんですよ。
自然とこの動作をしてしまうのは、体が本能的に気持ちのいい動作を求めているということですね。
縮めて緩めよう!
当院では、筋肉をゆるめる施術の一環で逆ストレッチというテクニックを用います。(オステオパシーのカウンターストレインを応用した手技)
ストレッチを伸ばすものとすると、その反対の縮めるというものです。
普通、縮めたらさらに硬くなってしまうのでは?と思ってしまいますよね。
確かに、硬くなっているものをさらに縮めてしまったら、増々硬くなってしまうのではないかと懸念されるのも無理はありません。
しかし、それはあくまでも縮んで硬くなった筋肉に対してであって、伸ばされて硬くなった筋肉を対象とした場合はちょっと事情が変わります。
伸ばされて硬くなった筋肉は縮めることで緩むのです。
現に、私はこのテクニックを使って、頚椎ヘルニアが原因とされた激痛及び手のしびれを改善させています。
もちろん、ヘルニアそのものには触れていません。筋肉のみを操作しているだけです。
このテクニックは背中の痛みにも有効です。
腰痛の場合は、タイプによって変わりますので全ての腰痛に有効なのかと言えばそうではありません。
従来通りの伸ばすストレッチが有効な痛みもあります。要は使い分けです。
しかるべき状態の筋肉に、しかるべきテクニックを用いること。
当たり前の事なんですけど、大切なことですね。
おさらい
- 全ての痛みにストレッチが有効なのではない
- 痛みの種類、場所によってはかえって悪化することがある
- 逆ストレッチを行うことで楽になる痛みがある