動物性タンパク質で虚弱体質が治る!?
当院に来られている虚弱体質の患者さんから、ある相談をされました。
「あなたは骨と皮で痩せすぎているからもっと動物性タンパク質を食べなさい、食べないから痩せているし体が弱いのよと知人から言われ、痩せているのは動物性タンパク質をあまり食べないからなんでしょうか?」
という内容の相談でした。
この動物性タンパク質を食べないと大きくなれない、丈夫になれない、栄養が不足するという話はときどき耳にしますが、この患者さんは果たして本当に動物性タンパク質の不足で虚弱体質になっているのでしょうか。
結論から言うと、この患者さんが痩せすぎているのは動物性タンパク質を食べないからではありません。(食べないと言っても全く食べないというわけではなく通常よりも少ないという意味)
虚弱体質ということは胃腸の働きがその知人たちよりも弱く、栄養を取り込む力が弱いということです。(少しでも食べ過ぎるとお腹を壊すことから)
また、その患者さんが痩せているということは筋肉量が足りないとも言えます。
だからといって、筋肉と同じ成分であるタンパク質を食べれば体が大きくなると単純に考えてはいけません。
肉や魚、卵を食べればそのまま筋肉になるわけではないからです。
確かに筋肉はタンパク質からできています。
しかし、ただタンパク質を食べただけで筋肉が大きくなることはありません。
もし、食べただけで筋肉がつくならトレーニングの必要なんてないはずですからね。
筋肉は、必ず鍛えるという行為がなければつけることができないのです。
タンパク質を大量に食べただけでは筋肉になるばかりか、脂肪を蓄えるだけです。
脂肪を蓄えて太るだけでは、本当に健康な体を手に入れたとはいえませんよね。
したがって、体を大きく(筋肉をつける)には筋肉が大きくなる条件を与えなければいけないのです。
つまり、筋肉トレーニングなどの負荷運動です。
そして、その運動に合わせた食事をするべきなのです。
そうすれば、食べたタンパク質も有効に活用されることでしょう。
また、虚弱体質である場合、運動量が少ないことがほとんどです。
運動量が少なければ消費カロリーも少なくてすみます。
消費カロリーが少なければさほど量を食べる必要もありません。
なので、ここで無理に食べてもお腹を壊すだけなんです。
話は変わりますが、世間には動物性タンパク質をほとんど摂らなくても立派な体をもっている人がいます。
そういった人たちは例外なしに体を動かしています。
体を動かす(筋肉を動かす)ことこそが体を丈夫に、また筋肉を発達させることにつながっているのです。
痩せているのは動物性タンパク質を食べないだけではなかったんですね。
食べて動かそう!
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