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椎間板ヘルニアが手術で劇的に治る理由

椎間板ヘルニアの手術をして痛みが改善すれば、それは手術によってヘルニアを除去したためだと考えるのが普通だと思います。

しかし、私は別のメカニズムによって痛みが取れたと考えています。

その理由を挙げていきましょう。

神経は圧迫を受けると麻痺が生じるのであって痛みではありません。

仮に、圧迫によって痛みが出たということは、それはもう神経そのものが損傷しているということになります。

そうした痛みは、「神経障害性疼痛」といって特殊な痛みに分類されます。

ちなみに、私たちが通常の生活で感じている多くの痛みは「侵害受容性疼痛」に分類されます。

侵害受容性疼痛とは、

けが、やけど、腰痛、生理痛、頭痛などの身近な痛みです。

したがって、ヘルニアが神経を圧迫しているから痛みが出るということは、神経がヘルニアによって傷をつけられているということになるのです。

私たちが怪我をして傷が治るのに時間がかかるのと同様に、神経も傷から回復するには時間がかかります。

ですから、圧迫を解放したからすぐに痛みが消えるというのはつじつまが合わないのです。

つまり、手術によって痛みが無くなるということは、ヘルニアそのものを除去したからではないということなんです。

頭が混乱しているのではありませんか?

話を続けますね。

以前のブログで、変形性膝関節症の手術について書いた記事を覚えていますか?

膝の手術に疑問を持った医師がある実験をしたという話です。

患者さんには手術を行ったことしか伝えていないのですが、中身は違っていて手術の内容をわざと変えました。

ある人には今までどおりの手術、ある人には膝の中身には手をつけないという手術で差をつけたのです。

では、その結果どうなったかというと、治癒率に変化がなかったということです。

つまり、膝の中身に手をつけていない患者さんでも良い結果が出たということなんです。

私は椎間板ヘルニアにもこの例は当てはまると考えています。

ヘルニアの手術なのに、ヘルニアの除去のみを行わない手術です。(他はすべて行います)

では、その結果どうなるでしょうか。

こういった実験は、倫理的な問題もあるので実行は難しいと思いますが、実際に行ったとしたら私は痛みが取れる例もあるだろうと考えています。

ヘルニアを除去したから痛みが無くなったと思われていたことが、実は違っていたなんて、そんな事実が出てきたら混乱が起きるのが想像できます。

そして、そのような事実を捻じ曲げようとする動きがどこからか出てくるのも想像できますが・・・。

神経障害性疼痛は、何かをしたから劇的に回復するようなタイプの痛みではありません。

ヘルニアの手術によって劇的に回復することが出来るのは、ヘルニアの痛みが「侵害受容性疼痛」だからです。

侵害受容性疼痛ということは、「ヘルニアが神経を圧迫していたから痛い」は間違っているのです。

したがって、ヘルニアの手術をしても痛みが取れたり取れなかったりするのもあり得る話なのです。

ヘルニアを除去したことが、痛みの除去につながっているわけではありませんでしたからね。

痛みの除去には別のプロセスが働いています。

その原因の解放につながれば、痛みは治るのです。



痛みとヘルニアの有無は無関係

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