行動を変えることの難しさ
以前のブログで、慢性痛がどうして長期間に渡って続くのか、別の観点から考察してみましたがいかがでしたでしょうか?
実は、慢性痛に限らず、自分の取っている行動が知らずしらずして意図していない方向へと進めていることが多分にあったりします。
そして、私たちはどうしてそのようなことになってしまうのか気が付くことはほとんどありません。
なぜでしょうか?
それは、人間には自己を正当化するメカニズムが自然と身についているからです。
人は誰もが自分がかわいいと思っています。(容姿のことではありません)
かわいい? そうです。かわいいと思っています。
例を挙げてみましょう。
あなたが、学生、社会人、いずれの時でもいいのですが、複数で写真を撮ったことがあるかと思います。
クラス写真、遠足、旅行、忘年会などの写真です。
出来上がった写真をもらった時、一番最初に確認するのはどなたの姿ですか?
先生?上司? まさかですよね。
もしかしたら好きな人ということはあるかもしれませんが自分自身ではありませんか?
そうなんです。人は自分の姿を最初に確認してしまうのです。
だからといって、これが悪いという訳ではありません。
人は、こうした側面を持っている動物なのです。
また、人は自分かわいさゆえに自己を正当化する傾向が非常に強い生き物です。
ですから、自分の言動、行動を否定されると、例え自分の方が間違っていたとしても素直に受け取れないのです。
あなたもそんな経験ありませんか?
少し話が逸れてしまいましたが、これらの面を先ほどの話に照らしてみましょう。
慢性痛にしろ、他のことにしろ、結果がある以上原因があるわけですが、その原因が自分の取っている行動にあると発想できない理由がここにあるのです。
自分はかわいいと思っているのが人間なので、自分のしていることが間違っているなんて思いたくても思えないのです。
仮に、間違っているかもと薄々気付いてもそれを変えようというところまでは中々いきません。
「わかっちゃいるけどやめられない。」のです。
これには、また、別の心理面が影響しているのですがここでは言及しないことにします。
こうして、人は人であるがゆえに、自分が意図している方向に進むことができないのです。
慢性痛という長引く痛みを抱えていたとしても・・・。
そして、治療法が適切だったとしても全ての患者さんが治るわけではない理由もここにあります。
ですから、慢性痛を克服した患者さんというのはとても凄いことを達成したといえます。
ポイントは、行動を変えたところにあります。
これには、治療に通うことも含まれますし、自己療法に取り組むこともそうです。
体に負担のかかる生活習慣を改めたことも当てはまりますね。
とにかく、行動が変われば結果は変わるんですが、単純にそうならない(行動を変えられない)ところが人間の難しさなんです。
最大の障壁は自分自身にある
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